凡庸の反逆

凡庸な大学生が、社会に対して何かを憂います。

ヤンキーインターンは「スベってる」と思った理由

 

 ぼーっとFACEBOOKを眺めていたら、「おもしろい!」というコメントと共にある動画が流れてきました。

 

 

youtu.be

 

 

 これだ。

 

 私は3分近いこの動画を観終わった瞬間に、何とも言えぬ気持ち悪い違和感を抱きました。言いたいことはたくさんあるのですが、端的に言って「スベってる」と。

 

 ただ、「スベってる」というdisだけでは何も意味がないと思うので、私がそう考える理由について説明していきます。

 

 

■ナレーションが舐めてる

 なんでカタコト?僕が知らないだけで、どこかの界隈ではカタコトが流行ってるんですか?

 

 シンプルに、言葉を選ばずに言えば、「不快」でした。

 「お前らはこういうのが好きなんだろ?」と言わんばかりのおふざけ。意図はわからないのですが、舐めてるとしか思えない。

 

 そして、この違和感はナレーションだけに留まることはありませんでした。

 

 

■エリートの上から目線の言葉が、果たしてヤンキーに届くのか

 動画内で、インターンの参加者を中卒高卒者限定としている理由について「大卒者よりも圧倒的に少ないチャンスの差を、どんな若者にでもチャンスがある東京で埋めることで、自分で自分の人生の可能性を広げて欲しい」述べています。

 

 「大卒者の方がチャンスが多い」という前提が、何の疑問もなく主張されているこの感じ、すっごく気持ち悪いと思いました。まさに、この意識こそがチャンスの差を広げているのではないかと思うわけです。

 

 先に断っておきたいのですが、私は「中卒高卒者より、大卒者の方がチャンスが多い」という主張自体に反対しているわけではありません。たしかに、職業選択の自由から見れば、中卒・高卒者は大卒者よりチャンスが少ないとかそういうデータはあるはずです。大卒じゃなければ就けない職業も取れない資格もあるわけですし、なんら間違ってはいないわけです。

 

 しかし、この動画の表現では 「お前らは機会が少ないし自分で人生の可能性を広げられない中卒・高卒、しかも田舎で過ごしていてかわいそう」という弱者への憐れみのような、差別じみた意識が前提になっていると感じませんか。

 

 田舎のヤンキーは東京で可能性を広げなければ幸せじゃないのでしょうか。彼らには彼らなりの価値観があって、彼らなりの幸せがあってしかるべきなのではないでしょうか。私はヤンキーだったわけではないので、どうしても彼らの気持ちをそのまま察することはできません。もちろん、先述した通り可能性が広がることは大変素晴らしいと思いますが、それにしても一方通行なメッセージじゃないかなあ、と思ったわけです。

 

 そして、動画の最後は

「CHOOSE YOUR LIFE」「自分の人生は、自分で選ばなきゃ。」

というコピーで締めくくられます。

 まるで、田舎のヤンキーは自分の人生を自分で選べないと言っているかの如く……。

 

 

■散々言ったが、ヤンキーインターンの仕組み自体はとても良いと思う

 散々文句を言ってきましたが、このインターン自体はすごく良いと思います。下に詳しい情報が載っていますが、インターン期間中の宿代なども出るうえに、いろいろなサポートもついているという何とも至れり尽くせりな状態で、こんな良いインターンはなかなかないと思います。

 

 それにサイトのデザインもイケてるし、参加者のインタビューなども読んでいて単純におもしろいです。ギャルが慶應SFCに受かるみたいな話がありましたが、あんなのより断然好きな話でした。ドラマ化しても良いと思う。

 

 今回触れた動画にしても、製作者の方々は大変優秀な人が揃っているんだと思いました。単純に動画のクオリティ高いですし、わかりやすいですよね。

 

 ただ、それだけ優秀であるが故に「エリート思考」が垣間見えてしまったのが勿体無いなあという印象です。

 

 個人的には、対象が対象だけに炎上はしないと思うんですけど、何とも言えない違和感が残ってしまったのが残念です。

 

hassyadai.com